羊が４６匹 ページ48
「しまった、もう時間か……」
あれから、悶々と悩み続け、結局よくあるクッキーを持っていくことにした。
別に特段高いやつってわけでもなく、スーパーに売っていくようなやつ。手作りなんて持ってのほか。ちなみに今までお菓子は作ったことない。
「うぅ〜……なんだか緊張してきた」
らしくない気がしなくもないがお茶会だなんて初めてのこと。
しかも相手は生徒会だ。下手なことしてみろ、今度こそ首が吹っ飛ぶかもしれない。
まぁ、首が飛ぶことは別に構わないけれど。
「あー！！ちゃんと来てくれたんやね！！」
そんなこんなで裏庭に着いてしまった。
ちゃんととはなんだ。ちゃんととは。私は約束は守るほうだぞ。
「まぁ、約束したから。
これ、お菓子。安物だけも、お茶会には必要かと思って持ってきたの」
「えー！！ええん！？いやぁ、Aちゃんは気が利くめう！！」
どうやらお気に召してくれたようだ……よかった。
「いやぁ、ちゃんとしたクッキーで良かったわぁ。
実はな、この前美麗とお茶会したんやけど、手作りクッキー持ってきてな。見た目はいいけど味がって感じやったわ」
……あれ、坂崎さんって意外と料理とか苦手なのかな。
「普通、相手の食の好みとか分からんのに手作りのやつ作るなちゅう話やねん。それにな？？大して上手くもないやつがこんな茶会に手作り持ってくんな……めう」
「おい、いまのめうは後付けだろ」
それから昼休みが終わるギリギリまで話をした。
まぁ、一方的に向こうが話しかけてきただけだけど。
少し話して分かったことは、彼はあまり坂崎さんのことが好きではないらしい。ちょっと意外。
日頃の鬱憤を吐けそうだったのが私だったようだ。
「いんやぁ、すまんなぁ勝手に一人で喋ってもうて」
「いいや、別に構わない。でもちょっと意外だった」
「……そうめう？まぁでも今日は楽しかったわ。またお茶会しようめう！！」
じゃあそろそろ時間やしお開きやね。
そう言いながら机の上を片付けていく。
「ええ。私も楽しかった。今日はありがとう、オスマン」
「……………そういうとこやで！！あんたは！！」
そう言ってオスマンは荷物を持って校舎に入って行ってしまった。
「……どういうとこ？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 891人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柚子。(プロフ) - うぃるそんさん» ありがとうございます！！！！頑張ります！！ (4月27日 22時) (
レス) id: e4888bfbe3 (このIDを非表示/違反報告)
うぃるそん - あー！！本当に大好きすぎます！これからも頑張ってください！！ (4月22日 23時) (レス) id: 4b19bdf32e (このIDを非表示/違反報告)
柚子。(プロフ) - ーーーさん» えへへ、ありがとうございます！！ (3月7日 20時) (レス) id: e5709cfba7 (このIDを非表示/違反報告)
ーーー - 好き······ (3月7日 18時) (レス) @page47 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ - 大好きです！（突然の告白）頑張ってください！ (10月12日 16時) (レス) id: bf3237f3d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚子。 | 作成日時：2022年10月8日 9時
