瞼の外 ページ6
『っ、……』
多少の抵抗虚しく首に針を刺される。
これは本当に血管に打っているのだろうか。この暗闇で正しい位置に刺せるかと言うと、私でも無理な気がする。
それも知識の無さそうな(偏見)男らが、だ。
打たれた部位が頓に痛む。針の痛みではない感じ、筋肉に直接流し込まれるような……
「じきに痛みなんか無くなるからなぁ?安心して、俺らに身体預けりゃ良いんだよ」
カラン と手に持つランタンの灯りがこちらの顔を照らす。
「別嬪だなぁ…やっぱ売らねぇか?」
「ばーか、ヤッた後に売るんだよ」
…うーん、まずい。
非常〜〜〜〜に嫌だ。なんでこんな汚い野郎と…その……、しなきゃいけないんだよ。
眠くもなってきた…麻酔だった…?
いやそれなら効くのが少々早すぎる気がする…
次第に激しい眠気と脱力感に襲われた。もしかすると、打たれたのは筋弛緩剤だったのかもしれない。
思考も思う様にできず、助けを求めたってどうせ人は居ない。暴れるような力も入らなくなった。
「じ〜っとしてろよー?ふへへっこういうの久しぶりだなぁ」
かちゃかちゃとベルトを外すような音が耳に入る。
どうにか逃げようとする身体は、既に一切の筋肉を動かさない。
国を渡って人殺すより、現状の方が圧倒的危機だという現実に笑えもしてくる。顔を出さず心で笑った。
服にも手がかかり、もう諦めて全て委ねようと目を閉じた瞬間、
扉の破壊音と聞き馴染みのある声が空間に反響して耳を割いた。
sha「っA!!!!」
zm「、……テメェら何してるんや…?」
どうしても睡魔に抗えず 開かない瞼のせいで現状の把握が難しい。
まぁ、シャオロンとゾムが助けに来てくれた、という事だけでいい。
シャオロンに拘束を解いてもらい、そのまま腕に仕舞い込まれる。
sha「ごめんなぁ…、もっと早く来れたのに…俺らも途中捕まってもうて…」
宝物でも愛でるように頬をゆるゆると撫でられた。どうして君は 初めっから私に優しくしてくれるのだろう
ゾムのいるであろう方向からは鉄が肉塊に打ち付けられる音が。殴られてる…ざまぁ見ろ
zm「Aをっ、抱くとか、っ言いやがって…ッ」
「あ゛っ、ぅ゙……ｯカハ、や゙、め…」
zm「殺したってもええんやぞ…Aに手ぇ出しとんやからな…」
sha「…いつの間にか愛されとるんやね、君は」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 411人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オバケ(プロフ) - プチトマトのチーノwww変な二つ名ついてるwww更新頑張ってください。 (4月21日 8時) (
レス) @page14 id: db93c912f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゲリラ - ふみさん私もです!めっちゃ良いお話です❣️更新頑張ってください〈^o^〉シャオちゃんの顔文字だよ! (3月29日 10時) (レス) @page6 id: 3562e297db (このIDを非表示/違反報告)
ふみ - めちゃくちゃいい話です!!! 高評価とコメントお気に入り登録させていただきます👍 (3月16日 10時) (レス) id: 567d5d614d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：天然記念ゴミ | 作成日時：2024年3月15日 17時
