【d!】ちゃうんですって!!!! (ページ2)

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新たな日常ページ2

前回のあらしじ

紗緒「お前考えすぎ！もうちょい頭の緩くやってこうze☆」
A「OK任せろ」

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「───……、っ！─────Aっ！！」

『、はいっ？！』

随分と深く追憶に耽っていたらしい。心配そうにAの顔を覗き込む何時もの面々に、Aは自身の肩を大きく揺さぶられることで漸く気付いたようだった。
ハッとした様子で黒板の上に取り付けられてある時計を見れば、針は次の授業開始時間の5分前を刺していた。

「もう直ぐ昼休憩終わるけど…大丈夫？しんどいん？」

やっと反応を見せたAにそう言いながら、蜂蜜色の瞳を揺らめかせるこの論田(ロンデン)紗緒(サオ)という人間は、Aをゲーム部に入部することを後押しした張本人である。

思考深過ぎるところがあるAを窘めたあの日から、紗緒は数日かけて説得(言いくるめ)しAにゲーム部に入部する意思を固めさせたのだ。
勿論Aが嫌がる素振りを少しでも見せれば止める気ではあったが、我々オタクである彼女が邪険な態度を見せる訳もなく。あっという間にAの手には記入済みの入部届けとペンが握られていた。選択肢など有って無いようなものである。

『あぁ、ちょっとぼーっとしとった。…変に心配させてもうてたらごめんな』

「別にしんどくないんやったら良えんやけど…」

「今から授業いける？体調悪くなったら直ぐに先生に言うんやで」

傍から見ても明らかに度が過ぎている彼らの気遣いにほんの僅かにむず痒さを覚えながら、Aはへらりと笑う。

『いや、大丈夫やって…！』

「アンさんの"大丈夫"は信用ならんからなぁ」

「お前が"大丈夫"とか言うとる時点で大丈夫ちゃうからなぁ」

「"大丈夫"言うて大丈夫じゃない時の方が多いやん」

陽呂(ヒロ)、紗緒、希(ノゾム)に一斉に言い返され、流石のAも口を噤むしかなかった。どれもぐうの音も出ないド正論だったのだ。少しでも異を唱えれば怖い笑顔で過去のやらかしを蒸し返されていたことだろう。自分を説き伏せるためならばどんなエピソードでもお冷感覚で出してくるに違いないと、Aは確信していた。

「なんか、Aちゃんめっちゃ信用無いんやね」

「普段どんだけ無茶しとんねん」

「ナ〇トで例えるならイタチ殺して鷹結成した直後のサスケくらいやで」

『心外なんですけど』