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髪の毛を振り乱している様子から見て、急いで駆けて来てくれたのだろう。私を視界に入れた途端に分かりやすくパァと顔を輝かせて見せた弟は、しかし私の少し横へと視線を向けたかと思えば一瞬＿＿＿ほんの一瞬だけだが、顔を曇らせて低く喉を鳴らした。
明るい彼も弱った彼も見た事はあるが、こんな負に満ちた表情なんて初めて見た。驚きで目を擦って二度見するも、既にその面影は消えて何時もの愛らしい弟の姿へと戻っていて。
しかし、薄らと冷や汗を流して困惑している様子の隣の少年を見る限り、見間違いでは無かったんだろうなとは思う。仲が悪いんだろうか。それにしては、随分と親しげにシッマの事を庇ってくれていた様に思うが。
不思議に思って首を傾げる私の横で、シッマは「大先生やん！姉ちゃんと一緒に、どないしたん」と笑顔で親しげに声をかける。かけられた側の少年＿＿基、シッマ曰く大先生も「し、シッマぁ」と若干困惑気味ではあるが、安堵の笑みを浮かべて返事していた。見るに仲は良さそうだが。
「シッマが、お姉さんに虐められとるって言うから……俺、力になりたくて」
『え』
私の方へとチラチラと視線を向けて気にしながらも、今にも消え入りそうな小さな声で自信無さげに告げられた彼の言葉に思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。いやだって、シッマが、私の事を？
記憶が戻る前だって一度も虐めた事は無かったし、記憶が戻ってからは一層大切にしてきたつもりだったのに。彼もそれに段々慣れてきてくれていると、先程まで噛み締めていたというのに。
全ては私の勘違いだったのか、とショックを受けて立ち竦む私をその澄んだ碧眼で覗き込むシッマに、ぎこちなくも視線を返す。目が合えばニコリ、とお手本の様な無駄に綺麗な笑みを向けられた。
……確かに世界一可愛かったけど、今お姉ちゃんはその笑顔に素直に興奮出来ないくらい落ち込んでるんだよ。そうすっかり内心沈んだ私の視線を受けながら、シッマはあどけない笑みを浮かべて「嫌やわ大先生」と少年に肩を組んで顔を寄せながらそう言う。
「なんか勘違いしとんとちゃう？姉ちゃんは優しいで」
「え？でも、シッマ……」
「大先生の聞き間違いやって！な？」
「……そ、そうかも？」
「ほら、姉ちゃん」と笑顔で私を振り返るシッマに目を瞬かせながらも頷けば、彼はどこか子供らしく無い静かな笑みを口元に湛える。酷く綺麗なその笑みは、まるで私を諭しているが様であった。
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レインコート - おかえり様です！（？）またヤンデレで美醜逆転な私の性癖ど真ん中な小説が更新される事になるのがとても嬉しく思います！！！更新頑張ってください！！ (11月29日 17時) (
レス) @page17 id: 6f0674a1a0 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - 素敵な作品、続きが楽しみです💚 (11月1日 0時) (レス) @page14 id: 0f5b165956 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - ほんとに面白いです！美醜逆転ってあんまり無いのでありがとうございます!(´▽｀) (9月20日 19時) (レス) id: 8c7b1b900d (このIDを非表示/違反報告)
絵猫蒼(プロフ) - 面白すぎて今全私が脳内お祭り騒ぎですｗありがとうございます･･･！ (9月15日 17時) (レス) @page7 id: 546b1f5c91 (このIDを非表示/違反報告)
LU - ｴｯｯｯドチャクソ好みです……はわ…美醜逆転好きすぎます！！！作者様の世界観と言うか物語の書き方と言うか……とにかく好きです！！これからも応援してます！お身体に気を付けて更新頑張ってください〜〜✊ (9月14日 23時) (レス) @page5 id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
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