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♡
『シッマぁ、準備できたぁ？』
「ン！」
『えっ、え〜！待って寝癖ついてる、かわいい』
玄関でスニーカーに足を入れて準備を整えると、下駄箱の横にかけられた私よりも幾分と背の高い全身鏡を覗き見る。前世では着損ねた、如何にも動きづらそうな大きなフリルが胸元にあしらわれた可愛らしい洋服が今の私にはよく似合う。くるり、とその場で一回転して鏡に映った自分に満足して深く頷いた。傍から見ればナルシストにでも見えるかもしれないが、事実なので仕方がない。
つくづく母に感謝である。まぁ、シッマは母に似てしまった為に苦悩の日々を過ごすことになってしまったのかもしれないが。両親は良くも悪くも私達姉弟を気にしていないのが不幸中の幸いか。良く言えば私達を差別しない、悪く言えばどうでも良い、といった感じだ。
シッマには悪影響だろうが、私にとっては都合が良い＿＿＿シッマだって、私がいっぱい愛情を注いであげれば問題解決、一石二鳥だ。そう思えば、記憶が戻る前に親へと感じていた寂しさや不満は忽ち霧散してしまう。機嫌良くリビングに未だ居るだろう弟へと呼びかければ、彼は元気良く返事して顔を覗かせる。
彼が歩く度にゆらゆらと揺れる、彼の頭の頂点付近に出来た犬の耳さながらの大きな寝癖に、思わず顔を輝かせて沸く私を見て、彼は反応に困った様なはたまた理解し難いといった様な面食らった表情を見せてその場に固まる。
その不自然な動きに『シッマ？』と首を傾げた私をおずおずと見上げると、彼は「か、かわいい、って」と詰まりながら何とか言葉を紡いだ。
「おれ、かわいいん……？」
唇を引き結んで、私の返事を不安げに、されど期待した様子で窺うシッマ。私の前では基本的に明るく振る舞う彼なだけに、薄々気付いていたとはいえ弱っているのを見るのは初めてだ。
こんなにも綺麗だというのに、認められるのを許されなかった可哀想な弟を私だけでも認めてあげよう＿＿＿思えば、その驕り高ぶったエゴまみれの考えこそが間違いで諸悪の根源だったのだろうが、残念ながら私にはそこまで考え至る脳が無かった様で。
『勿論、可愛いよ！』
「………一番？」
『ん？』
「姉ちゃんの、一番？」
私の袖の裾を引いて、乞い願う様に真っ直ぐ向けられた碧眼に生唾を呑む。『勿論！』と彼の手を両手で包み込んでグイと顔を寄せれば、彼はふにゃりとふやけた笑みを浮かべる。どう見たって無垢な少年のそれは、やはり可愛かった。
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レインコート - おかえり様です！（？）またヤンデレで美醜逆転な私の性癖ど真ん中な小説が更新される事になるのがとても嬉しく思います！！！更新頑張ってください！！ (11月29日 17時) (
レス) @page17 id: 6f0674a1a0 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - 素敵な作品、続きが楽しみです💚 (11月1日 0時) (レス) @page14 id: 0f5b165956 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - ほんとに面白いです！美醜逆転ってあんまり無いのでありがとうございます!(´▽｀) (9月20日 19時) (レス) id: 8c7b1b900d (このIDを非表示/違反報告)
絵猫蒼(プロフ) - 面白すぎて今全私が脳内お祭り騒ぎですｗありがとうございます･･･！ (9月15日 17時) (レス) @page7 id: 546b1f5c91 (このIDを非表示/違反報告)
LU - ｴｯｯｯドチャクソ好みです……はわ…美醜逆転好きすぎます！！！作者様の世界観と言うか物語の書き方と言うか……とにかく好きです！！これからも応援してます！お身体に気を付けて更新頑張ってください〜〜✊ (9月14日 23時) (レス) @page5 id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
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