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借りてきた猫の様に、しゃんと背筋を伸ばして私を見上げて呆ける彼女の胸元には「四年二組きせ」の文字が書かれた名札が安全ピンで付けられてある。うちの学校には無い物なので他校の子だろうか、私よりも歳下である。
それにしても、本当に可愛い子だ。前世の友人も基本的に顔が良い子ばかりであったが、彼女達と比べても頭一つ飛び抜けてこの歳から顔立ちが整っている。私以上に綺麗な子に直で会ったのは初めてなので、興味を引かれて食い入る様に見つめ入ってしまう。
何だかんだ、同性の友人は居るけれど特別親しい子ってまだ出来ていないのを思い返して、どうにか彼女と友達になれないかと内心考えあぐねる。綺麗な子と友達になりたいと願うのは、だって別に悪い事じゃないのだから。
『これでよし』とハンカチを離せば、彼女は目を何度も瞬かせながら、まるで何かを確かめる様な慎重な手つきでまだ少し湿った自身の目元を指でなぞる。そして、信じ難いと言わんばかりの視線を私へと向けるのだ。
彼女の薄い瞳に映り込んだ私が自分から見ても愛嬌のある笑みを浮かべれば、彼女ははくはくと口を意味も無く開閉しては掠れた声で空気を吐き出して、困った様な表情でたじろぐ。長い睫毛を震わせて私を見つめる彼女の顔は、林檎の様に真っ赤であった。
「なんやの……へ、変なやつ」
言葉を詰まらせながら、儚げな顔立ちには見合わず案外勝気にそう吐き捨てた彼女が丁度私の家のある方向へと踵を返すのを見て、私も自身の足元に置いていた袋を持ち直して彼女の後を追う。
ちらりと気にした様子で私を振り返って「な、なに」と聞く彼女は満更でも無さそうで思わず頬が緩んだ。
『可愛い女の子がこんな時間に一人で帰ったら危ないから、お姉さんと一緒に帰ろうよ』
「……ぇ、」
『？』
勿論、私欲も十分に含まれている提案ではあったが。私の差し出した手と私の顔とを何度も交互に見遣って彼女はポカンと小さな口を開いたまま、間の抜けた表情を浮かべる。
「………ぁ、そ、うよな」
そして、私から顔を隠す様に深く俯いてはそう呟く。首を傾げる私を顔を覆い隠した指の隙間から恨みがましい視線で見上げる彼女。その様子にさり気なく手を下ろそうとすれば、逃がさまいと言わんばかりに力強く掴まれて肩が跳ねてしまった。
「かえ、る」
眩しそうに目を細めて、頬を赤く染めた彼女から絞り出された声は小さく掠れていて＿＿＿そして、若干上擦っていた。
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レインコート - おかえり様です！（？）またヤンデレで美醜逆転な私の性癖ど真ん中な小説が更新される事になるのがとても嬉しく思います！！！更新頑張ってください！！ (11月29日 17時) (
レス) @page17 id: 6f0674a1a0 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - 素敵な作品、続きが楽しみです💚 (11月1日 0時) (レス) @page14 id: 0f5b165956 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - ほんとに面白いです！美醜逆転ってあんまり無いのでありがとうございます!(´▽｀) (9月20日 19時) (レス) id: 8c7b1b900d (このIDを非表示/違反報告)
絵猫蒼(プロフ) - 面白すぎて今全私が脳内お祭り騒ぎですｗありがとうございます･･･！ (9月15日 17時) (レス) @page7 id: 546b1f5c91 (このIDを非表示/違反報告)
LU - ｴｯｯｯドチャクソ好みです……はわ…美醜逆転好きすぎます！！！作者様の世界観と言うか物語の書き方と言うか……とにかく好きです！！これからも応援してます！お身体に気を付けて更新頑張ってください〜〜✊ (9月14日 23時) (レス) @page5 id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
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