お姫様の為の決意 ページ6
それが自分達の弊害になりそうな女子は再起不能なまでに潰すこと。だって、そうでもしないと潰されるのはこっちだったから。
「まだ頭角を現していないし、カルアの情報も不確かなことがあるから詰められないけど…これから吉祥寺さんの動きには注意した方がいいかもね。」
カルアちゃんの言葉に部室の空気はしん…と静まり返る。
「…大丈夫だよ。吉祥寺さんがどんな人であろうと…瑠玖を不快にさせた責任はとってもらうし…皆に手は出させないから。」
私がそう言うとスマイル君は私を抱き締め、瑠玖に頭を撫でられた。
「スマイル君…?瑠玖…?」
「違うよ、姉さん。姉さんが僕達を守るんじゃなくて…。」
「俺達が、Aを守るんだよ。」
ちょっと予想外の言動に、思わずドキッとしてしまった。
「そーそー、おれじゃ頼りにならないかもしれないけど…。」
「Aのこと守りたいって思ってるんだよ。」
「Aはおれ達の恩人だからね。」
「何があっても、Aだけは守るよ。」
…そうだった、皆は私の騎士様だもんね?
「まあ兎も角…吉祥寺さんが動きを見せるまで待機かな。その間Broooock君には頑張ってもらわなきゃだけど。」
「やだ〜…けど、姉さんの為だもんね…。頑張るよ。」
「ふふっ、瑠玖は偉いね。…大丈夫、来たるべき時が来たら、瑠玖の気持ちもきっと晴れるよ。」
「さーて暗い話は終わりにして!バンド練習しよ!おれ新曲の練習したいんだ〜!」
「Nakamuはずっとそればっかりだな…。」
各々が楽器の準備を始めた頃、コンコンとノックの音がした。扉に一番近い位置に居たきんとき君が扉を開く。
「はーい、誰です、か…。」
…きんとき君の動きが、止まった。
「初めまして!今日転入してきた吉祥寺愛海です!あの!私、このバンドに入りたいんです!」
…どうやら思ったより彼女は馬鹿のようだ。少しは楽しめるかと思ったけれど、結局そこら辺のミーハーと一緒か?私とカルアちゃんのポジションに付きたくてこの部活に入りたがるのか。
「えっとー…申し訳ないんだけど、今おれ達は部員募集してなくて…。」
「えー?でも部活ですよね?なんでアタシは入れないんですか?」
「いや、おれ達は軽音楽部から派生して、一つのバンドとして活動してるんだよ。だから、吉祥寺さんも軽音楽部に入ったらいいんじゃないかな?」
「軽音楽部じゃなくてこのバンドに入りたいんです!」
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作者名:さくらもち | 作成日時:2024年3月20日 17時