【WT】白尾学園のお姫様【悪女主】 (ページ11)

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お姫様と二度目の仕掛けページ11

スマイル君とカルアちゃんの言った通り、吉祥寺愛海を陥れるチャンスは直ぐにやってきた。教室では常にシャークん君達の目が光ってるから、吉祥寺愛海は手出しできなかったけど…。

「ちょっと。」

お手洗いに行った時、吉祥寺愛海に絡まれた。運悪くカルアちゃんは日直の仕事を頼まれてて、ちょうど一人になった時だった。

…まあ、ある意味タイミング良かったか。

「な、なんですか…？」

怯えたふりして、吉祥寺愛海から距離を取る。

「この前はよくもやってくれたわね…アンタのせいで千雨君に嫌われちゃったじゃないの！」

いや自業自得だろうが、という言葉をなんとか飲み込む。学習しないなぁ、誰も人居なければ何してもいいと思ってるんだ？

「わ、私のせいじゃ…。」

「うるさい！いいから謝れよ！」

「きゃっ…！」

パンッと乾いた音。吉祥寺愛海が手を振り降ろすと同時に女子トイレに現れる影。

「え…？」

それはメイク直しに来たクラスメイトの女の子達だった。

「っ！？や、やばっ…。」

女の子達は驚いた表情だったが、私が頬を抑えていること、吉祥寺愛海が酷く焦っていることから状況を判断したらしい。

「吉祥寺さん、今、Aちゃんのこと叩いたよね…？」

「たっ、叩いてないよ！？ただ、偶然手がAちゃんに当たっちゃって…！」

「そうとは思えないけど…？Aちゃんの頬、赤くなってるよ？」

ばーか、後先考えずに行動するからだよ。

「Aちゃん、大丈夫？保健室行こ！」

メイク直しも忘れ、女の子達は私と一緒にお手洗いを出る。と、教室の前でスマイル君と会った。

「A…？頬、どうした？」

「え、えと…。」

「紫条君！Aちゃん、吉祥寺さんに頬叩かれたみたいで…保健室連れて行ってあげてくれない？」

「…吉祥寺さんに？わかった、悪いけど3限は休むって先生に伝えといてくれる？」

「うん、任せて！」

スマイル君は私の肩を抱くと、そのまま保健室まで連れて行ってくれた。

「失礼します。…って、先生いねーのかよ。」

「あー…次の時間ちょうど職員会議だったみたいだね。…自習かぁ、惜しいことしたな…。」

「それより。」

ぐい、とスマイル君の方を向かせられる。

「めっちゃ頬赤くなってんじゃん…。早く冷やそ。」

氷のうを取り出すと私の頬に当てるスマイル君。

「ひゃあっ！冷た…。」

「仕方ないだろ、我慢しろ。」

暫く無言のままスマイル君に氷のうを当てられていた。