第三十話 ページ31
「大先生は、本当にゾムの恋がうまくいってほしいと思ってんのか?さっきから大先生、ゾムに対して否定的なことしか言わへんけど。」
大先生は、その言葉を聞いて少し驚いていた。
「は？そ、そんなわけないやん!なんで俺がゾムの恋路を邪魔せなあかんねん!」
大先生は急いで否定した。
しかし、コネシマの口は止まらない。
「なら何で、ゾムを傷つけるようなことばっかり言うんよ。」
コネシマは、大先生の目を見つめながらどんどん喋る。
大先生はなぜかコネシマと目を合わせようとせず、目線をそらしながら話を聞いている。
「、、、なあ、大先生。大先生は、何か隠してるんとちゃう?俺らにまだ言ってない何かがあるんじゃないん?」
大先生はその言葉を聞いた瞬間、体が少しビクッと動いた。
「大先生、どうしても俺らには言えないことなんか?」
俺らは大先生をじっと見た。
大先生は苦しそうな表情を俺らに見せた。
何故かわからないけど、これ以上大先生を問い詰めるのはやめた方がいい気がした。
俺はこの状況を変えようと声を出した瞬間、近くから聞いたことのある二人の声が聞こえた。
「あれ、皆さん、どうしたんですか?」
「あ、部長に兄さん、それにシャオさんにゾムさん。なんか勢ぞろいっすね。」
そこにいたのは俺らより一個下の学年のショッピ君とチーノだった。
「ショッピ君にチーノやないか。どうしたん?」
シッマが声をかけると、ショッピ君が話し始めた。
「いや、さっきまでチーノと一緒に遊んでたんですけど、チーノが腹減ったって言うからなんか食べるかっていうことでファミレスに来たんですよ。」
淡々と説明するショッピ君の横でチーノは頷きながら腹減ったと小さな声で言っていた。
そうするとシャオロンが、どうせだし二人も一緒に食う?と少し笑いながら言った。
そういうとチーノがいいんすか!と言いながら席に着いた。
大先生も、ええよと言ったため、ショッピ君も、すみませんと言いながら席に着いた。
一旦、さっきまでの話はストップして、いつも通りの楽しげな会話に戻った。
久しぶりに後輩たちと話したため、少し気分も上がっていた。
しっかりと飯も俺らにおごってもらおうとしてきたため、此奴らやってんなと思っていたら、チーノがそんな雰囲気をぶち壊すような一言を発した。
「そういえばゾムさん。前に彼女に振られたーとか言ってましたけど、新しい彼女出来ましたか?」
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作者名：黄色ピン | 作成日時：2023年10月29日 1時
