第二十八話 ページ29
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「、、、で、その後、高校入ったらロボロがおって、でもAらしき人がいるって聞いたことがなかったから、Aは別のところに行ったんやろな、って思いながら今日まで過ごしてたんよ。」
「もし、Aにまた何かあったらどうしようって考えた時もあったんやけど、きっとAなら大丈夫だろうって、心のどこかで思っていた。」
大先生は、顔を暗くさせる。
「まさか、あの出来事がきっかけで、こんなにも変わるなんて思わんかった。何かしらの出来事によって、人はこんなにも変わることができるなんて、今でも信じられへんよ。」
俺らは大先生が話している間、一切話さなかった。
俺は、信じられなかった。
こんな、物語みたいな出来事が本当にあるなんて。
正直、心のどこかでこの話を信じ切れていない自分がいる。
大先生は俺の目をじっと見つめながら少しずつ口を開いた。
「ゾム、、、。きっと、、、いや、絶対Aは、まだグルッペンの事が好きや。そのうえAちゃんのグルッペンに対する思いは尋常じゃない。」
「俺、今日の放課後遅れてきたやろ。さっきも言ったけど、実はその時Aと会ってたんよ。Aに、一体あの時何があったのか、なんでAはこんなにも変わってしまったのか。聞いたんよ。」
「、、、詳しくは言えんけど、やっぱりグルッペンが関係してた。そのうえ俺にさえ、全部は教えてくれなかった、、、。」
大先生は、とても苦しそうな顔をしていた。
「なあ、ゾム。Aの事は諦めへんか?何度も言ってるけど、多分だけどAはゾムを好きには、、、。」
横で話を聞いていたコネシマとシャオロンはうつむいたまま、何もしゃべらなかった。
俺は、大先生から発せられた言葉にとてつもないダメージを受けた。
しかし、それと同時に、とてつもない高揚感も同時に襲ってきた。
あぁ、今のAが俺を見ることはほぼない。
大先生は、俺に今後辛い思いをさせないために、きつい言葉を使って言った。
しかし、もし俺が、そんなAを落とせたら?
もし、Aがそのグルッペンってやつより、俺の事を見てくれたら?
Aのグルッペンって人に対する思いは尋常じゃないと大先生は言ってた。
じゃあ、Aの好きな人がグルッペンから俺に変わったら、その尋常じゃないほどの思いを俺にむけてくれるってことか?
本当の自分を押し殺せるくらいの、莫大な愛を俺に注いでくれるってことか?
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作者名：黄色ピン | 作成日時：2023年10月29日 1時
