第二十六話 ページ27
『ロボロぉ、、、。私、、、私。どうすればよかったの?』
「、、、大丈夫。落ち着いて。Aは何も間違ってへんよ。」
ロボロは泣いているAを抱きしめながら背中をポンポンとして、優しい声でAに語り掛けていた。
ロボロは俺が来たことに気が付いたんか、大先生。と言いながらそっとAから離れ、俺に近づいた。
そのまま、俺の手を引っ張って、部屋から出たんよ。
ロボロが言うには、Aはグルッペンに別れを告げられたらしいんよ。
何とかAから聞き出した話によると、グルッペンが家の都合で学校に来れなかった間、色々あったらしくてな、グルッペンはAの事を思って、これ以上関わらない様にしようとしたんやって。
俺はなんで、グルッペンはAから離れるのがいいと思ったのかは、わからなかった。
もっと詳しく聞き出そうとしたらしいが、生憎あの現状じゃ、聞き出せるもんも聞き出せんかったらしい。
その時、ロボロに、グルッペンから送られてきたメッセージについて教えたんよ。
これが送られてきたのは数か月前。
「、、、まるで、グルッペンはだいぶ前からAから離れることを決めていたみたいな。」
実際、その時の現状と、メッセージで送られてきた内容は一致していた。
ずっと前から、Aの事を俺とロボロに任せようとしていた。
取りあえず、Aのところに戻ることにし、部屋に戻るとAはこっちを見てきた。
『ロボロ、、、と、鬱?』
「、、、そうやで。久しぶりやな、A。」
俺はできる限り優しく話しかけたんよ。
Aはしゃがんでたんやけど、立ち上がって俺に近づこうとした。
やけど、バランス崩して倒れそうになって。
俺が何とか支えたら、Aは俺に抱き着いてきたんよ。
『鬱は、、、鬱は、私から離れて行かないよね。』
俺はなんて答えたらいいのかわからなかった。
きっと、
「離れるわけないやん。」
そういえばいいのだろうが、そんな簡単に言ってしまっていいのか。
俺は実際、転校してからAと関わることがあまりなかった。
そんな、確証も無い事を言ってしまってもいいのだろうか。
その時、後ろにいたロボロが俺とAの肩を優しく触った。
「安心しろA。大先生はAから離れて行かへんよ。もちろん俺も。約束や。」
Aは安心したような、悲しそうな顔をしながら、
『ありがとう。』
そういった。
俺は、心の底からロボロに感謝した。
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作者名：黄色ピン | 作成日時：2023年10月29日 1時
