第二十二話 ページ22
「でも、、、でも!それじゃあどうしたらいいんや?俺やってゾムに本当の事を話すのが一番いいと思ってる。でもゾムにつらい思いしてほしくない。」
大先生はずっと俺の事を思って話すのをためらっている。
大先生は仲間思いなところがある。
最初だって、俺らと仲良くなったころ、コネシマにアタックを仕掛けている女子が現れた時、大先生はすぐに、その子はやめた方がええで。ととめていたのだった。
コネシマはそもそもその女子と付き合おうなんて一切思っていなかったため、そんなに意味はなかったが。
しかし、大先生は俺たちの事を一番に考えしまう時があるため、逆に大先生が一番つらい思いをしてしまう時がある。
だからこそ、俺たちが大先生を支えてあげなくてはいけない。
今、大先生を助けてあげられるのは、、、俺だけや。
俺はコネシマの方をちらっと見ると、コネシマは俺の目をじっと見つめながら、小さくうなずいた。
勇気を出すしかない。
「大先生。大先生の気持ちはすっごい分かる。俺の事を思って、俺に傷ついてほしくなくて、それで言いたくないって気持ちはすっごい分かる。でも、、、」
大先生は俺の目をじっと見つめながら、次の言葉を待っている。
「、、、俺は大先生に、本当の事を教えてもらいたい。ほら、もしかしたら、傷つかないかもしれんし?それに、、、もし、俺がすっごいショックを受けたとしても、その時は、お前らが慰めてくれるやろ?」
大先生は目を大きく開き、ぱちぱちとしながら呆然としていた。
「当り前やろ。俺らは、なんだかんだ言って、友達やから。友達が悲しんでたら、慰めたげる。それも友達としての役目なんちゃうん?知らんけど。」
シャオロンが突然口を開いたかと思えば、シャオロンらしくないことを言い出したため、少しびっくりしていると、コネシマが口を開いた。
「なあ、大先生。これでもお前は、ゾムが辛い思いするかも。とか言って話さないつもりなん?」
大先生はこわばっていた顔をしていたが、フッと笑みをこぼし、
「はぁー。わかったわ。そんなに聞きたいんなら、話してやるよ。ゾム、どうなっても知らんで。」
しょうがないなと言わんばかりの顔で、俺を見てきた。
「ああ、何でもかかってこい。なんせ、Aの話や。大好きな人の話やったら、どんな事でも受け止めるわ。」
大先生は、少し安心したような表情をした後、話し始めた。
「それじゃあ、今から話すのは、Aの昔あった出来事についてや。」
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作者名：黄色ピン | 作成日時：2023年10月29日 1時
