【d!】恋に落ちてしまったため【zm】 (ページ19)

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第十九話ページ19

『えっと、、、。』

Aは少し気まずそうな顔をしていた。

すると大先生が口を開いた。

「ほら俺、お前らと同じ中学やったけど、それって中三の頃からやろ。」

そういえばそうだ。

大先生とは中学校が同じだったが、此奴は転校してきてたんだった。

中学三年の二学期の初めごろに転校してきた。

その時のクラスに、俺、コネシマ、シャオロンがいて、そこから仲良くなったんだった。

「俺がお前らと会う前に、通っていた中学校にAがおったんよ。まあ、少し仲が良かったって感じ、、、やな。」

初めて聞いた。

でも、なんで俺やコネシマなどにそのことを伝えていなかったのだろう。

「なんでずっと、一ノ瀬さんと仲良かったって教えてくれてなかったん?」

シャオロンがそう聞くと、鬱は少し気まずそうな顔をしながら話した。

「えーっとな、、、。実は俺、Aが、昔仲良かったAと同じ人やって気づいてなかったんよ。」

「は?お前めっちゃ最低な奴やん。」

コネシマが大先生を少し引いている目で見ると、大先生はちゃうねんと少し慌てていた。

「あのな、俺の知ってるAが、今のAと違いすぎて『鬱。』ッ、、、。何でもないわ。」

昔のAと違いすぎる?

どういうことだそれ。

今のAは、中学の頃と全然違うってことか?

大先生は申し訳なさそうな顔をしながらうつむいた。

すると、店員さんがAの頼んだオムライスを持ってきた。

『あ、ありがとうございます。』

Aはオムライスを見ると目をキラキラと輝かせていた。

俺は可愛い姿のAを見ながら話しかけた。

「そんなにオムライス好きなんか?」

『そうなの。すっごく好き。よく自分でも作って食べるんだ。』

「へー。いつかAのオムライス食べてみたいな。」

俺がそういうとAは突然動きを止め、少し震えながら俺の目をじっと見てきた。

「えっ、、、。“グルッペン”?」

グルッペン?

一体誰だ。

その時のAの瞳はまるで、俺が知ってるようで、でも全然知らない、初めて見たAだった。

すると大先生が慌てながら、Aの肩を掴み目を合わせた。

「A!あいつはグルッペンちゃう!あいつは、、、ゾムや。」

そう怒鳴るような声でAに言った。

Aははっとして、俺の方を見て、

『ああ、そっか、ゾムか。』

と心ここにあらずと言わんばかりの状態になっていた。