第十八話 ページ18
「えっとなー。俺がドリンクバーで飲み物を入れようとしたら入口に一ノ瀬さんがおって、どうせだし一緒にどうって言って、連れてきた。」
こいつは一体なにをしているんだ。
今一番連れてきちゃダメなだろう。
すっごい気まずい感じになるやん。
...そうだ、此奴は俺らの気まずい雰囲気に気づいてなかった。
どうしてくれるんだと、少しため息をつくと、Aはおどおどしながら話しかけてきた。
『ぞ、ゾム君も、や、やっほー。』
...まあ、可愛いからいっか。
そんなことを思っていると、Aは大先生の方を見て少し驚いていた。
『...鬱。やっほー。さっき、ぶりだね。』
「そ、うやな。さっきぶり、、、やね。」
えっ、二人とも、さっき会ってたん?
「さっきぶりってことは大先生、用事って一ノ瀬さんと会ってたってこと?」
コネシマは二人を交互に見ながら聞いていた。
「まあ、少しAちゃんと話がしたかったから。」
『鬱、私ちゃんと約束守ってるんだけど、、、?』
大先生は少し気まずそうに俺の方を見た後、うつむいた。
「すまん。A。」
俺は意味が分からなかった。
大先生、なんでAの事呼び捨てで呼んでるん?
今まで大先生はAの事をちゃんづけで呼んでいた。
ロボロと言い大先生と言い、一体こいつらはAの何を知っているんだ。
そのうえAまで、大先生の事を鬱、呼び捨てで呼んでいた。
するとシャオロンが、一ノ瀬さん取り合えず座ってええよ。というのでAは大先生の隣に座った。
シャオロンは俺の隣に座ってきた。
「一ノ瀬さんは何か頼む?」
『じゃあ、私はオムライスで。』
シャオロンがそう聞くと、Aはメニュー表を見ず決めていた。
すると大先生が、Aに話しかけていた。
「A、やっぱりオムライス今も好きなんや。」
するとAは少し顔を歪ませながら、うなずいていた。
『まあ、オムライスは“アイツ”も好きって言ってたから。思い出的な、、、。』
アイツ?一体アイツとは誰だ。
大先生は悲しそうな顔をしながら、やっぱり、、、。と小さな声で話していた。
『そういう鬱も、オムライス頼んだんだ。』
「そりゃあ、俺も一番好きだって言ってたし。」
二人は顔を見合わせて笑っていた。
「なんや、一ノ瀬さんと大先生ってそんな仲良かったんか。」
コネシマ疑問そうに二人に聞いていた。
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作者名：黄色ピン | 作成日時：2023年10月29日 1時
