第十六話 ページ16
「はっ?」
俺は大先生の言ってることが理解できなかった。
大先生は、ずっと俺の事を応援してくれていたじゃないか。
なのに、なんで、なんで、
俺はなんて言ったらいいのかわからなかった。
「なんでなん。大先生は俺の恋を応援してくれへんのか。」
「ちがっ「何が違うんや。」、、、ゾム、、、。」
「俺、大先生ならきっと、俺の事応援してくれると思って、相談もしてたのに。」
俺は今自分がどんな感情になっているのかわからなかった。
大先生に腹が立っているはずなのに、なぜが胸が苦しい。
、、、きっと俺は、悲しいのだろう。
大先生も、俺を傷つけるために言っていれば、殴りかかることもできたのに、そういう理由じゃないってことがわかるから、余計に胸が痛い。
大先生は、少し悲しそうな、それと同時にまるで何かを諦めているような表情をしていた。
「せっかく今までで一番本気になれていたのに、こんなにも愛しているのに。」
大先生は下唇を噛みながら悔しそうな顔をしていた。
少しの間、俺と大先生の間に沈黙が流れた。
すると大先生は口を開いた。
「でも、今のままじゃAちゃんはゾムの事を好きにはならない。絶対に。そのうえ、このままやとゾムは絶対あの事を知ることになる。それはゾム、にとってはきっとつらい事やから。」
大先生は一体Aの何を知っているんだ。
それに大先生がいうあの事とは一体なんだ。
もしかして、ロボロが言っていたあの事と関係があるんじゃないか?
一体昔、Aに何があったっていうんだ。
俺はいてもたってもいられず、大先生に聞くことにした。
「大先生、あの事って一体「持ってきたで〜。」、、、。」
タイミングが悪く、話しかけたタイミングでシャオロンたちが帰ってきてしまった。
俺は大先生の方を見て、あとで教えてもらうからな。と目線で伝えると、目をそらされてしまった。
「なんやねん。俺らがいない間、なんかあったんか?」
コネシマは俺たちの少し気まずい雰囲気に気づいたらしく、聞いてきた。
俺らはどうすればいいか戸惑っていると、店員さんが来て御待たせいたしましたと料理を並べて行った。
コネシマは、ありがとうございます。と言いながら席に座り、美味しそーやなー。と料理の方に夢中になっていた。
俺はこの時店員さんに心の中でめちゃくちゃ感謝した。
何とかコネシマの気をそらすことができた。
だがしかし、俺の中ではさっきの事で頭がいっぱいになっていた。
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作者名：黄色ピン | 作成日時：2023年10月29日 1時
