空の街

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まぶし……


「ん…」


目を開ければ、目の前に……顔？


「おそよー。」

「…っ！」

「朝飯くえます？もーすぐ昼ですけど〜」


ベッド前にしゃがんでいたらしい須藤はスウェットに
エプロンをしていて、立ち上がってキッチンの方に
歩いていった


そっか…、昨日泊まったんだっけ…、


「……いい匂い…」


甘い匂いにつられて布団から出れば
まずあっち。と新品の歯ブラシを渡されて


すっきりした頭で洗面所から出ればローテーブルには
ふわっふわのフレンチトーストにポトフが並んでいて


「美味しそ…」

「サラダもついてまーす」

「カフェじゃん」

「いただきまーす」

「いただきますっ！」


ん……これは…口の中に広がるふわとろ…


「めちゃくちゃおいひぃ…」

「バナナヨーグルトもどーぞ」

「母〜〜〜」

「昨日寝れました？」

「ばっちりぐっすり！須藤は？」

「何回か蹴られて起きました〜」

「えっ嘘」

「コーヒーいれますね」

「ねぇ本当に、？」


キッチンにお湯を沸かしに行った須藤は笑っていて

いやそれよりこのフレンチトースト本当に美味しいな
どうやって作るんだろ？牛乳…？


「わっ！？」


キッチンからゴンッ！と音がして驚いて見れば


「……、？」

「ごめん落とした」

「あぁ、うん…」


インスタントコーヒーの瓶を床から拾った須藤は
慣れた手つきでマグカップを出して




贅沢なそれらを食べ終わって
食後のコーヒーで締めれば身も心も幸せで満たされた


「お腹いっぱ〜い。あ、せめて食器は私が洗わせて頂きますので須藤さんはコーヒー飲んでて下さいっ」

「よろしく〜」



シンクでスポンジを泡立てれば
何だか本当に彼女みたいだなぁなんて思って

まぁ、彼女なんだけど…、



「ねぇ食器拭くのってこれだよね？」




「………須藤…？」



返事のない後ろを振り向けば
ローテーブルに突っ伏している須藤がいた


「え…？」


近づいてしゃがんで見てみれば
スースーと気持ちよさそうに寝息を立てていて



「おーい……。須藤くーん…？」



狭くて寝れなかったのかな…？
本当に私蹴った…、？




「……。………寝てたら近くても大丈夫だな…」



……。



カシャ、と写真を撮れば、ん…、と一瞬眉をしかめた
須藤はすぐにまた寝息をたてはじめて


ゆっくり立ち上がって忍足でベッドからタオルケット
を持ってくれば、そぉっと掛けてから隣に小さく座っ
て気持ち良さそうな幼い寝顔を覗いた



「………かわい…」

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