shp−きっと誰よりも ページ26
「お前、女装コンテスト出ろよ！」
たまたま通りがかった化学室からそんな声が聞こえた。
ふと足を止めてスマホのカレンダーを見ればそろそろ文化祭の時期に近づいていた。
なんでこんな真夏に近いタイミングで開催するんだろ……。体育館とか絶対めちゃくちゃ暑いのに、と立ち止まってぼんやり考える。
「ハァ？嫌ですよ、絶対無理」
「いけるって！去年シャオロンも出たし！」
「せや！シャオロンがいけるんやったらお前もいけるて！」
「シャオさんはかわいらし〜いお顔してるからでしょ！」
「言い方に悪意あるぞお前ぇ！」
騒がしい声にハッと意識を戻し、スマホを仕舞う。さっさと教室に戻って荷物を回収して帰らないと。そう思い足を踏み出したその時、扉が開いた。
「とにかく！俺は絶対出ませんからね！では！」
「あ」
「あ？」
出てきたのは同じクラスの塩戸くんだった。余程嫌だったのか普段は聞かない大きめの声で顔を顰めながらお断りを入れていた。
去年の話をしていたから先輩だと思っていたのだが、知り合いが出てくるとは……。
「えーと、お疲れ様……？」
「あー、お疲れ……？」
「き、教室行くの？」
「まぁ……」
「わ、私もなんやぁ〜」
き、気まずい……！とりあえず話題を振ってみたものの気まずすぎる……！
なんてったって私も彼も今年入学したて！つまり知り合って4ヶ月！しかも同じクラスと言うだけで普段全然会話をしないのだ。
彼も気まずそうに視線をきょろきょろと動かし頭をかいている。
かくいう私もソワソワしているのがバレバレだろうが。
「とりあえず教室、行こうぜ」
「そ、そうやね。……塩戸くん女装コン出るん？」
「いや絶対でーへん……って言いたいとこやけどなんか勝手に出ることにされてそうやな〜」
あからさまに嫌そうにため息をつきだらだらと歩く塩戸くん。
言い訳をさせてほしい。言うつもりはなかったのだ。
だが赤く染まる窓の外を見る横顔があまりに綺麗で、つい口をついてしまった。
「……塩戸くん、きっと似合うんだろうな」
「……は？」
「？……ｱｯ！」
驚きで目を見開く彼と、口を抑えた私の目が合った。
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爛々炯々(プロフ) - コメントありがとうございます！ciさんは待つ側が似合うなぁと思って書きましたので、かわいいと思っていただけて嬉しいです (5月3日 18時) (
レス) id: 941ba7a10b (このIDを非表示/違反報告)
犯罪者予備軍(プロフ) - なるほど弱々チノくんクソ可愛いくて好きです (5月3日 9時) (レス) @page34 id: 121e844a58 (このIDを非表示/違反報告)
爛々炯々(プロフ) - 闇の塩分さん» コメントありがとうございます！口調や彼ららしさを表現するのにはかなり苦戦していますのでそういっていただけて嬉しい限りです！かなりのんびりの更新になってしまいますが、ぼちぼち更新していきます！ (2022年8月25日 0時) (レス) id: d8421960c5 (このIDを非表示/違反報告)
闇の塩分(プロフ) - 初コメ失礼します！女の子が毎回可愛く書いてあって好きです！wrwrdの皆さんの口調というか、性格も掴んでて……私的にはtnさんのお話が好きです！これからも自分のペースで更新頑張ってください！(￣ー￣)ｂｸﾞｯ! (2022年8月24日 15時) (レス) @page9 id: f6e8056ac4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：爛々炯々 | 作成日時：2021年8月27日 0時
