sha−3 ページ23
教室の扉の前で小さく深呼吸する。
よし、大丈夫。きっとみんなも声を掛けてるはず……！
私が彼に声を掛けてもおかしくない、はず！
少し気合を入れて扉を開けた。
扉のすぐ側の自分の机に鞄を置きそのままお目当ての彼の元へ。
「おはよ、紗緒くん。誕生日おめでとう」
「！おはよ、千寿ちゃん。そんでありがと」
紗緒くんはイチョウの瞳をキュッと細めて笑った。
そう。今日は9月22日。紗緒くんの誕生日だ。
毎年おめでとうとお祝いはしてるし、少しのプレゼントも渡しているが、なんだかんだ毎回緊張する。
「今年はなにがいい？他の人からもなんか貰うやろうから、別の日でもええよ」
「絶対お菓子とか食いもんばっかやから、あれがええな！飲みもん！部活始まる前にさ、自販機で買ってよ」
「ええよー。じゃあ帰る前に食堂の前のとこで奢るね」
「え？ちょ、ちょっと待って？」
今年のプレゼント(ただのちょっとした奢りだが)の話をしていると紗緒くんと仲のいい鬱島くんが声を掛けてきた。
暗い海底の瞳に気だるげでニヒリストのような雰囲気……ではあるが彼女を取っかえ引っ変えしているらしい。
なんなら二股している……との噂もあるが真相は知りえない。
彼は紗緒くんの前の席に座りこちらを振り返る。
「なに？大先生の昼飯奢りは変わらへんで」
「あ、鬱島くんもおはよう。」
「ああ……えと和さんおはよう、シャオロンの昼飯奢りもまぁええわ。そうじゃなくて、2人ってどういう関係なん？……付き合ってたりする？」
「え、なんで？付き合ってへんで」
「うん……。紗緒くんとは普通に友達？やけど」
「え、だってシャオちゃん女子のこと名前で呼ばへんやん！和さんもやんな！？」
そういえば挨拶しそびれていたなと合点し声を掛けたがどうやら違ったらしい。
私たちがなにやら秘密の関係なのかと声を潜め、小さく囁き聞いてきた。
あまり男子と関わらない私は、鬱島くんの柔らかな雰囲気に人知れず強ばっていた体から少し力を抜き笑って答えた。
「紗緒くんと私あれなんよ、保育園からずーっと一緒」
「保育園！？めちゃくちゃ付き合い長いやん！幼馴染？」
「俺と千寿ちゃんって幼馴染なん……？」
「えっ違うん？同じとこ通ってたんやろ？」
「でもなんか幼馴染って言ったら、お互いの家行って遊んだりとか放課後遊び倒したりとかしてるイメージない？」
「私らそんなんしたことないもんね」
「は〜……なんか、難しいな……」
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爛々炯々(プロフ) - コメントありがとうございます！ciさんは待つ側が似合うなぁと思って書きましたので、かわいいと思っていただけて嬉しいです (5月3日 18時) (
レス) id: 941ba7a10b (このIDを非表示/違反報告)
犯罪者予備軍(プロフ) - なるほど弱々チノくんクソ可愛いくて好きです (5月3日 9時) (レス) @page34 id: 121e844a58 (このIDを非表示/違反報告)
爛々炯々(プロフ) - 闇の塩分さん» コメントありがとうございます！口調や彼ららしさを表現するのにはかなり苦戦していますのでそういっていただけて嬉しい限りです！かなりのんびりの更新になってしまいますが、ぼちぼち更新していきます！ (2022年8月25日 0時) (レス) id: d8421960c5 (このIDを非表示/違反報告)
闇の塩分(プロフ) - 初コメ失礼します！女の子が毎回可愛く書いてあって好きです！wrwrdの皆さんの口調というか、性格も掴んでて……私的にはtnさんのお話が好きです！これからも自分のペースで更新頑張ってください！(￣ー￣)ｂｸﾞｯ! (2022年8月24日 15時) (レス) @page9 id: f6e8056ac4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：爛々炯々 | 作成日時：2021年8月27日 0時
