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気がつけば崖っぷち ページ8

吸血鬼。それは、私のずっと憧れの存在だった。世間では恐ろしい事件が多発しているだとか、とても危険な存在であるとかそんな悪印象ばかりだけれど、私は違った。たまたまネットを見ていたら触れたとある小説、それは人間と吸血鬼との恋の物語で。それだけでなく、少し探してみたら沢山の吸血鬼に関する小説やマンガなどの作品が出てきた。気がつけばそれの虜になっていて、そしていつの間にか憧れを抱くようになっていた。けれど、


『解釈違い………解釈違いだ………』


「………え、え〜っと……?」



『番とかは?血の契約とかないの…!?』



「………あーもしかして、創作でよくあるやつ?」


急に大声を張り上げる私に、最初きんときくんは困惑したような表情だったが、何かを察したように納得する表情を浮かべた。そして一言。


「あれ、実際はないよ」


バリン、と何かが弾けた音がする。それはきっと、甘い希望や願望が無惨にも砕かれた音で。


『………ない、の……?』


「うん。実際、特定の誰かを決めるって事はあんまりなくて、結構色んな人とかの吸ってるかなぁ。おんなじ人から吸いすぎてもすぐ貧血になっちゃうし」


先程凄惨に砕かれたたばかりだというのに、追撃と言わんばかりに次々と悲しい現実が投下される。


『嘘だ…………』


「えっとー………ごめん?」


崩れ落ちる私を見て謝罪してくれるきんときくんだけれど、多分ショックを受けている理由を分かってくれてない。いや、別にきんときくんが悪いわけじゃないけど。


『じゃあ、記憶を消す能力もないのか………』



「…………………そうだね。口封じなら全然するけど」


サラリと恐ろしい事を言って笑う目の前の怪物は、一体何人の人間を葬ったのか。その笑顔の下の顔が見えなくて、更に彼の存在が恐ろしく感じた。


『……あれ。じゃあ、何で私は口封じしないの?』


「え?だって、食料探すの大変だし、こっちの方が楽かな〜って」


『通報するかもしれないよ?』


「大丈夫。その時は道連れだから」


それはまた素晴らしい笑顔で恐ろしい事を口にするきんときくん。



『道連れって……?』


「あれ、知らない?


最近、吸血鬼に故意に血をあげた人間も罰せられるって法律が出来たよね」

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神崎いのり(プロフ) - ゆのさん» 返信が大変遅くなってしまい申し訳ございません。コメントありがとうございます…!そう言って頂けてとても嬉しいです🥰緩くではありますがちまちまと更新していきますのでお付き合い頂けると幸いです✨ (4月19日 16時) (レス) id: 8fac357c0d (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - ほんとにとても癖です、、、!!!更新待ってます😿 (12月28日 15時) (レス) @page11 id: 8aabdc3085 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神崎いのり | 作成日時:2023年12月15日 23時

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