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変な感覚だったな……。

今日きんときくんに吸われた感覚を思い出し、カッと体が熱くなる。

えっ、吸われたんだよね?マンガ見たいに?嘘信じられないこれが現実!?嘘でしょ!?

恐らく普通の生活を送っていれば感じることのない感覚で、若干荒ぶったように今日の事を思い出しながら、傷口に触れた。……筈だった。


『………あれ?』


きんときくんから吸われたであろう場所に触れたけれど、傷口の感覚がない。小走りで鏡の前まで移動して、自分の首元を確認する。………傷口がない。それはまるで、最初からそもそも吸われてなかったと疑ってしまうくらいに何も異常がなかった。しかし、僅かに残るクラクラとした感覚が、これが夢でない事をはっきりと示していた。これはもしかしたら、よく吸血鬼マンガとかである傷を治す能力的なあれ?かな。今度二人になった時に聞いてみよう、と自分の中のモヤモヤを無理矢理消した。



___


翌日。
いつものようにぼんやりとしながら机に突っ伏した。別に友達がいないとかじゃないけれど、基本こうしていれば話しかけられることはない。特に、この朝の時間帯は。


「お〜い、Aさ〜ん」


そう、話しかける人なんて


「Aさ〜ん?」


話かけ


「Aさん!」


『何?!誰!?』


「あ、起きた」


バッと机から起き上がると、目の前にいたのは朝だというのにとっても爽やかなお顔のきんときくん。目が合うと、おはよ。と軽く挨拶をしてくれた。それに対してこちらも不満げにおはようと挨拶を返す。


「昨日は大丈夫だった?」


彼のその発言に、クラス中の視線が此方に向いた。所々で湧いていた話し声が止む。混乱するクラス、混乱する私、そして何も気付いていないかのようにニコニコと微笑むきんときくん。


『えっ……えーっと……』


「Aさん危なっかしいからさ、心配になるな〜」


何を言われているのかは分かる。昨日の事を心配して言ってくれているのも分かる。けれど分からないのは、どうして“みんなに聴こえるように”言ったのか。

さて、ここでクラスの女子達の気持ちを代弁しよう。

えっ!?あのきんときくんが女の子に話しかけにいってる!?てかあの子誰よ!!………って感じの雰囲気。ちなみに私が向こうの立場だったらそう思ってる。鈍感と言われる私でも流石に分かる程のひりつき具合である。


「今日昼、一緒に食べよ」


この一言を決定打に、クラスがしんと静まり返った。

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神崎いのり(プロフ) - ゆのさん» 返信が大変遅くなってしまい申し訳ございません。コメントありがとうございます…!そう言って頂けてとても嬉しいです🥰緩くではありますがちまちまと更新していきますのでお付き合い頂けると幸いです✨ (4月19日 16時) (レス) id: 8fac357c0d (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - ほんとにとても癖です、、、!!!更新待ってます😿 (12月28日 15時) (レス) @page11 id: 8aabdc3085 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神崎いのり | 作成日時:2023年12月15日 23時

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