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聞き覚えのある……いや、ついさっき聞いたばかりの声が近くから聞こえた。
『えっと……きりやん、』
「お前らなに廊下でケンカしてんだよ。」
「……どこまで聞いてた？」
「ほぼ最初から全部だけど」
きりやんの返答を聞き、きんときくんと顔を見合わせる。自分の表情は分からないけど、多分お互い苦笑いを浮かべていただろう。きりやんはなかなかに鋭いから、最悪きんときくんの正体がバレちゃうかもしれない……と感じているのはきっとお互いに同じはず。そしたら私も……。
「きんとき、Aになんかやってんの？」
きりやんが睨みつけるようにきんときくんの方を見る。……マズい、きりやんの過保護スイッチが入った気がする。小学校のとある時期から、きりやんは私に何かがある度に過保護スイッチを起動させてきた。別に迷惑ってわけでもないし助かった事だってあったけど、今回ばかりは大事になりかねない。かといって私の嘘は簡単に見破られそうだから、私はちらりときんときくんの方に視線を送った。少なくとも私よりマシな嘘をついてくれると信じて。
「あぁ…、俺がAさんに惚れて付き纏ってた」
『ほっ、ほれッ…！？』
「……はぁ？」
惚れる！？なんてパニックってつい言葉が漏れてしまった口を両手で塞ぐ。きりやんは怪訝そうな顔を向けていたが、Aが言ってたのってこの事だったのか……なんて納得したように頷いた。
「……で、話聞く限りAに弱みかなんか握られてんの？」
「……んまぁ、そういうとこ」
「つまり、Aに弱み握られてるくせに惚れて一方的に付き纏ってると……。気づいてる？お前今やべぇヤツだよ」
「うん、俺やべぇヤツだわ」
なんて二人は普段と何ら変わりない空気感で会話を交わしていく。二人が仲良く話している所を遠目で見かける事はあったけれどこんなに近くで見たことはない。……けど、いつももこんな感じなんだろうなぁ、とぼんやり感じた。
「まぁでも、Aが嫌がってるようにも見えないからとりあえず今日は処さないでおくわ」
「俺処される予定だったの？？」
「Aは俺の家族みたいなもんだから、いくらきんときでもAを傷つけるような事があれば………
……その時は覚悟しとけ。」
きりやんは鋭い目つきでそう言い残して、やがてぽかんとする二人を置いて去っていった。
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神崎いのり(プロフ) - ゆのさん» 返信が大変遅くなってしまい申し訳ございません。コメントありがとうございます…！そう言って頂けてとても嬉しいです🥰緩くではありますがちまちまと更新していきますのでお付き合い頂けると幸いです✨ (4月19日 16時) (
レス) id: 8fac357c0d (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - ほんとにとても癖です、、、！！！更新待ってます😿 (12月28日 15時) (レス) @page11 id: 8aabdc3085 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎いのり | 作成日時：2023年12月15日 23時
