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そんなこんなで授業は終わり、ぼんやりしていたらあっという間に昼休み。きんときくん呼んで早く血あげよ、と席を立ち隣のきんときくんに声を掛けようとした。


「きんときく〜ん!今日あたし達と一緒にご飯食べな〜い?」


おっと、先を越された。
気が付けば数人の女子達が隣の席に群がっていて、とてもと言っていいほど声を掛けられる状況では無かった。やっぱ人気だなー。普通に顔も良いし人当たりもいいしなー……なんて考えながらそっとその場を離れようとする。しかし、離れようとした瞬間パシッ、と腕に何かが絡みついた。


「悪いけど、今日Aさんと用事あるんだ。ごめんね?」


女子達に絡まれてて見えなかったけれど、腕を掴まれて初めてきんときくんの顔が良く見えた。いつも通り爽やかな笑みを浮かべているけど、腕は絶対離すまいという意識が感じられる。到底振りほどけない。そして、また人の良い笑みを浮かべて女子達に謝罪を述べている。それはとても穏やかで、例え私が断られた身であったとしても文句を垂れることなく、頬を染めて縦に頷いていただろう。現に、女子達も同じような反応をしている。……ただ、一部怪訝そうな顔で私の方を見ている。まぁ、恨みを勝手しまうのは分かっているけれども。てか、早速人よけに使われてるな。

なんてことをぼんやりと考えているうちにいつの間にか手を引っ張られて教室を出ていた。ハッと気付いてきんときくんの方を見ると、ふぅ……と力の抜けたような顔を浮かべていた。確か人が苦手って言ってたよね……?やっぱり正体がバレないかとか考えて不安になったりするのかな……。


「ごめんね、強引に連れ出しちゃって」


『いや、別にいいんだけど……。こういう事ってよくあるの?』


「うーん……たまーにかな。大体何か理由つけて断ってるんだけど」


『大変そうだね』


「まぁ、好かれてるってのは嬉しい事なんだけどね」


あはは、と苦笑いを浮かべるきんときくん。


『爽やか風な顔して意外に根が陰…』


「ん?」


『ナンデモナイデス………』


ニッコリ浮かべられた笑顔が心做しか暗いオーラを纏っていて、急いで謝罪を述べた。危ない危ない、もう少しで殺されるところだった……。


人外だとか人外じゃないとかそういうの抜きで、きんときくんは怒らせてはいけない人物なのかもしれない、と密かに感じた。

✽→←彼に勝ちたい



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神崎いのり(プロフ) - ゆのさん» 返信が大変遅くなってしまい申し訳ございません。コメントありがとうございます…!そう言って頂けてとても嬉しいです🥰緩くではありますがちまちまと更新していきますのでお付き合い頂けると幸いです✨ (4月19日 16時) (レス) id: 8fac357c0d (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - ほんとにとても癖です、、、!!!更新待ってます😿 (12月28日 15時) (レス) @page11 id: 8aabdc3085 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神崎いのり | 作成日時:2023年12月15日 23時

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