番外編:足りない ページ49
あのね、グルッペン。私感謝してるんだよ。私を受け入れたことも、救済手段を作ってくれたことも、陰で守っててくれたことも、愛してくれたことも。きっと貴方は自分を責めてる。そんな必要無いのにね。冷たく見られがちな貴方だけれど、私を抱く時は誰よりも優しい。たまに、暴走するけどね。本当に、誰よりも優しいんだよ。柔らかな手つきで、割れ物を触るように丁寧に扱ってくれる。頭からつま先まで全てを愛してくれる。本当に、本当に大好きなの。でも、恥ずかしいからそんなこと言ってあげない。
「どうした？」
「ううん、見惚れてた」
ニコリと笑って返すと、グルッペンは面食らったような顔をして、グシャッと髪の毛を上げる。ペロッと舌なめずりをすると、書類を捲る手を止めてゆっくりと立ちあがった。
「勃 っ た」
「はい？」
おかしいな。最近耳が悪くなったのかな。
「仕事なんか後でええ。抱きたい」
聞き間違えじゃなかったー。グルッペンは私の手を引くと、部屋に連れ込んだ。ほ、本当に誰よりも優しいんだ……よ。
✼••┈┈┈┈┈┈••✼
マンちゃんはいつでも私のお兄ちゃんで居てくれたよね。私を甘やかして、事情に関わらず危害を加えられたら一番に駆けつけて怒ってくれる。マンちゃんが居てくれなかったら、どうなってたことやら。想像しただけで恐ろしいよ。常に私のことを考えてくれていて、私が嫌なことはしなかった。昔、私を蔑んだ国の人との取引を打ち切ったよね。大事な取引だったのに。でも君は言った。Aより大事なものなんて無い、って。それがどれほど嬉しかったかなんて、きっと君は知らないんだろうなぁ。
「そんな可愛い顔で見つめられたら、期待してまうけど」
「ふふ、マンちゃんは優しいよね」
「ベッドの上でも？」
「それ以外」
「なんやねん。そういう気分になったとか、そういう訳ちゃうん？」
「違うね」
「そ。でも俺はそういう気分にさせられた」
「あっ」
オスマンは、静かに部屋の鍵を閉めて、私を押し倒した。
✼••┈┈┈┈┈┈••✼
トントンは、なんだか友達のようだった。歳の近い兄妹のような友達。初心な反応を見せてた君が、成長するのは感動ものだねぇ。今じゃ立派な獣……いや、やめとこう。君は私の側でずっと支え続けてくれた。ここに居続けられるように。ありがたいよ。
「今、仕事中やから、後でな」
「え？」
「誘ってるんちゃうん」
「……そんな顔してた？」
「クソ、無自覚かよ」
fin
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みかん - 一気読みしました！凄く面白かったです！ (12月15日 21時) (
レス) @page50 id: 23cbb9e2de (このIDを非表示/違反報告)
ほよん - みんな彼女を大切に思ってるんだなと思いました！とても面白かったです✨ (8月14日 14時) (レス) @page50 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
n - 久しぶりに神作読ませて貰いました！めっちゃ面白かったです！ (6月13日 12時) (レス) @page50 id: a313beec07 (このIDを非表示/違反報告)
ｎｎ - いい意味で鳥肌が立ちました、、！！めちゃくちゃ面白かったです！！ (2023年2月1日 23時) (レス) @page50 id: d2a3e7d3b4 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品も最高だったぁぁぁ!!!!!Ｒじゅーはちじゃないのでみられてうれしいです!!他の作品も見ますね!!!!! (2022年12月9日 20時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月9日 20時
