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「ん……朝？」
「せやで。おはよう。A。体平気？立てる？」
Aが首を振ると、ゾムはケラケラ笑って抱き上げる。
「あんだけやりゃ立てへんよな。部屋まで連れてったる」
「お手数お掛けします」
ゾムは、Aを抱き上げると、扉を乱雑に開けてAの部屋へ連れて行く。いつも通り、軍服に着替えたAは、食堂で朝食を食べる。その後は、会議があるため、早めに会議室へ行く。
会議室に揃っていた皆の格好は、やはり正装ではない。だが、それが我々国の幹部らしくて良い。席に座ったAは、皆の顔を見て笑う。
「楽しそうやな。A。なんかあるん？」
「いや？今日も皆揃って良かったなぁ〜って」
「そうか」
スクッと立ち上がったグルッペンは、皆を見回した後、Aを見る。鬱先生から飴玉を貰ったAは、舌の上でそれをコロコロ転がす。
「で、Aは結局誰を選ぶん？死ぬまで誰とも付き合わず結婚もせず、曖昧な関係で居るん？」
「あー、なるほど。また私の話ね。把握」
Aの口から飴が転がる音がする。皆は、Aが一体だ誰を選ぶのか、緊張していた。グルッペン達以外は望みが薄い。それでも、可能性があるなら。と一縷の希望にかけるが、Aの口からは誰の名前も飛び出さなかった。
「えー、選ぶわけないじゃん」
殆どの幹部が椅子から滑り落ちる。グルッペンは高笑いして、他幹部も次第につられて笑い出す。
「言ったじゃん。この症状が治るまでは、全員に付き合ってもらうって。正直、ショッピ君達は可愛い後輩だから、気が引けるけど」
「A、俺らだけ仲間外れ〜？」
なんて言われてしまったら、頼るしか無い。
「不埒でもなんでもいい。皆が居るなら」
「お前らしいな。今日の相手は誰や？」
スっと全員が挙手をする。考え込んだAは、目の前に居る男にキスをした。
「……甘い」
顔を顰めた男、鬱先生はクスリと笑う。口移しで帰ってきた飴を転がして、鬱先生はそれを噛み砕く。
「A。これはお誘いってことでええんやな」
「結構前に約束したからね。おちびちゃんだけど、テクでイ かせてくれるんでしょ」
「したなぁ、そんな約束」
彼女は誰も選ばない。
選ぶのは、今晩の相手だけだ。
ああ、贅沢だ。
国の幹部を全員、独り占めできるたった1人の女。
そう、彼女は男好き。
不誠実で軽薄で、拷問好きな彼らだけのお姫様。
「ッ、んああっ！」
彼女は毎晩男と寝ているらしい。
fin
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みかん - 一気読みしました！凄く面白かったです！ (12月15日 21時) (
レス) @page50 id: 23cbb9e2de (このIDを非表示/違反報告)
ほよん - みんな彼女を大切に思ってるんだなと思いました！とても面白かったです✨ (8月14日 14時) (レス) @page50 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
n - 久しぶりに神作読ませて貰いました！めっちゃ面白かったです！ (6月13日 12時) (レス) @page50 id: a313beec07 (このIDを非表示/違反報告)
ｎｎ - いい意味で鳥肌が立ちました、、！！めちゃくちゃ面白かったです！！ (2023年2月1日 23時) (レス) @page50 id: d2a3e7d3b4 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品も最高だったぁぁぁ!!!!!Ｒじゅーはちじゃないのでみられてうれしいです!!他の作品も見ますね!!!!! (2022年12月9日 20時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月9日 20時
