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パチパチと音をたてて燃え盛る炎は、男の足を容赦無く焼き尽くす。
「う゛あ゛あ゛!!!!」
「吐きな。楽になろ〜よ」
ツンツンとAが男の頬をつつく。針で。
「ひぎぃ、」
「じゃ、そろそろ手も無くそっか〜」
どこからか大剣を取り出してきたAは、引きずりながら男に見せつける。
「私、力無いから。斬るのに時間かかるかも。許してね」
すると、シャオロンが立ち上がった。Aに近づく程、肉が焦げ付く匂いが強くなる。そのため、彼は少し顔を歪める。ヒョイっとAから大剣を取り上げると、ニンマリ笑う。
「俺にやらせてくれへん？」
「……っ、ダメだよ。シャオちゃんには」
「なんで？」
「シャオちゃんの手は汚さずに生きてて欲しいの。1度人を傷つけた手は戻らない」
「そんなん、戦争の時とか俺、何万も殺してきたで？人を殺めた数はお前より多い」
首を振ったAは、シャオロンから大剣を奪おうと引っ張る。シャオロンも強情で、中々剣を離さない。その間にもスパイは燃えていき、悶絶する声を上げている。中にはギブアップする兵士も居て、吐き気を抑えながら部屋を出て行った。
「シャオちゃん。人を殺す時、どうやって殺す？」
「楽に死ねるように、頸動脈をザックリと」
「そうでしょ。こうやって、痛めつけて殺しはしない。シャオちゃんがそうするのは優しさでしょ。だから、ダメだよ。私みたいに優しくも何ともない女が向いてるの」
自分を卑下するような言い方に、シャオロンの力が緩む。その隙に奪い取ったAは、大きく振り上げてスパイの腕を斬る。5回ほど繰り返すと、左腕がぼとりと落ちた。
鼓膜が破れるほどの絶叫。皆は優しい心を持っている。スパイに同情するように、目を閉じる。
「助けてくれ……吐く、吐くから」
「ん、分かった」
火を消すと、男はベラベラと国の情報を吐く。どこが忠誠心高いんだか、とAとシャオロンは呆れる。もし、自分が捕まった時は、絶対に喋らないし、自白剤を飲まされそうになった時は自らの舌を噛みちぎる覚悟で生きている。
「そういう事らしいよ、シャオちゃん」
「じゃあ、報告やな」
Aは、泣き叫んで助けを乞う男の胸に、ナイフを突き立てる。シャオロンは、部屋を出ると見せかけて、陰からその様子を見ていた。
「……お疲れ様。恨み言はいくらでも聞くよ。遺言は」
「毎晩枕元に立ってやる」
「それは恐ろしいね。じゃあ、さようなら」
嫌な音が響く。男は、事切れた。
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みかん - 一気読みしました！凄く面白かったです！ (12月15日 21時) (
レス) @page50 id: 23cbb9e2de (このIDを非表示/違反報告)
ほよん - みんな彼女を大切に思ってるんだなと思いました！とても面白かったです✨ (8月14日 14時) (レス) @page50 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
n - 久しぶりに神作読ませて貰いました！めっちゃ面白かったです！ (6月13日 12時) (レス) @page50 id: a313beec07 (このIDを非表示/違反報告)
ｎｎ - いい意味で鳥肌が立ちました、、！！めちゃくちゃ面白かったです！！ (2023年2月1日 23時) (レス) @page50 id: d2a3e7d3b4 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品も最高だったぁぁぁ!!!!!Ｒじゅーはちじゃないのでみられてうれしいです!!他の作品も見ますね!!!!! (2022年12月9日 20時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月9日 20時
