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Aは、人の温もりに触れると、悪夢が薄くなる傾向にある。精神を病まないのは、グルッペンらが毎晩夜を共にしているから。単純に体を重ねるだけじゃない。一緒に寝れば異変に気付きやすいし、こうやって落ち着かせられる。
「A、戻って来ぃや」
「や、来ないで……ごめんなさい。ごめんなさい」
寝言では永遠にそう繰り返す。見ていられない。トントンは、ギュッとAを抱き締めてをキスをする。流石に外でおっ始める訳にもいかない。グルッペンならやりかねないが。
「っ、トントン……？」
「良かった。起きた。A。部屋戻ろう。やっぱ外で寝るのは危険や」
「……うん」
「大丈夫やで。なんともないから」
迷惑だよね。そんな言葉聞きたくないから言わせない。トントンは震えるAを抱えて自室へ歩き出す。その様子を見ていたものは大勢居た。中庭は、棟に囲まれているため、見られやすいのだ。
「やっぱり、こういうことになるやん」
ゾム、コネシマ、シャオロンは拳を握る。歩く度に兵士たちの会話が耳に入る。
『Aさんとトントンさん、中庭で見せつけてくれたな』
『流石Aさん。恥ずかしげもなくああやって男誘えるんだな』
『俺らも今度、街で女買って連れてこようぜ。Aさんのこと出せばグルッペンさんも強く言えねぇだろ』
ほら、風紀を乱す。調子に乗る兵士が増える。
「なんで、グルッペン達は何も言わへんねん」
「弱味握られとんとちゃうか？古参なら黒歴史くらい知っとるやろ」
「確かに。Aの奴……でもなぁ、なんか引っかかるねんな」
「まぁ、な」
完全に悪者とは言い切れない。隠し事をしている気がして気に入らない。幹部の癖にルールを守らないのが気に入らない。そういう不満が蓄積して、仲間の輪が崩れていくのだ。それを知っているからこそ、隊長であるゾム達はそれを止めなきゃ行けない。
「……俺、聞くわ。グルッペンに直接」
コネシマがついに決心する。
「俺らも着いてくで」
真相を知りたい他2人も覚悟する。例えどんな事実があろうとも、受け入れると約束して。
トントンの部屋の前を通る際、Aの声がした。艶のある声。男ならば唾を飲んで聞き入ってしまうだろう。
嫌いな女の嫌いな声で反応してしまう自分が嫌でしょうがない。
幹部達は、嫌いな女の嫌いな声で。想像したくもないことを想像して1人寂しく欲を吐き出すのだ。
だから余計に虚しくなって、もっともっと嫌いになっていく。
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みかん - 一気読みしました！凄く面白かったです！ (12月15日 21時) (
レス) @page50 id: 23cbb9e2de (このIDを非表示/違反報告)
ほよん - みんな彼女を大切に思ってるんだなと思いました！とても面白かったです✨ (8月14日 14時) (レス) @page50 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
n - 久しぶりに神作読ませて貰いました！めっちゃ面白かったです！ (6月13日 12時) (レス) @page50 id: a313beec07 (このIDを非表示/違反報告)
ｎｎ - いい意味で鳥肌が立ちました、、！！めちゃくちゃ面白かったです！！ (2023年2月1日 23時) (レス) @page50 id: d2a3e7d3b4 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品も最高だったぁぁぁ!!!!!Ｒじゅーはちじゃないのでみられてうれしいです!!他の作品も見ますね!!!!! (2022年12月9日 20時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月9日 20時
