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訓練場を後にしたAは、書類を持ってトントンの部屋を訪れる。先客が居たらしく、先の彼はカチコチに固まった。
「A……さん」
「エミさんじゃん。トントンに虐められてない？」
「おい」
トントンに書類を渡したAは、意地悪く口の端を吊り上げる。そして、エーミールの首に腕を回して、抱きつく。真っ赤な顔のエーミールは、気を抜いたら気絶しそうだ。
「エミさん」
「ぅ〜!!な、なんですか」
耳元で囁く。すると、不機嫌そうに口を曲げるトントンがAをエーミールから引き剥がした。
「あんま揶揄うなや。……で、エミさん。あの件頼むで」
「了解です。では。……あとAさん。その、意地悪しないでください」
そう言って彼は出て行った。Aは、トントンにもたれ掛かる。
「はぁ、可愛い。なんで童貞の反応ってあんなに面白いんだろ」
クツクツと愉絶に浸った顔で抑えきれない笑いを漏らすAに、トントンは大きなため息をつく。トントンの胸板に頭を預けているAからは、いい香りが漂ってくる。死体処理をした後だったから、強めの石鹸で洗ったのだろう。
今は仕事中だと自分に言い聞かせて、Aから離れる。
「ドSなのも大概にしぃや。ベッドの上では可愛く鳴いとる癖に」
「黙ろうよ」
ケラケラと笑うトントンに、持ち歩いている拷問器具をチラつかせると、深刻そうな顔で口を閉じる。
「なんでそんな物騒なもの持ち歩いてんねん」
「護身用。……あ、トントン。今日お願い」
「分かった。ちょっと特殊なのやろうや。いつもと一緒ってつまらんやろ」
「……別に、」
初心な生娘のような反応を見せたAは、逃げるように部屋を出る。
夕食後、Aは部屋で仕事を終わらせて夜風に当たりに行くため、中庭に向かう。ベンチで涼んでいると、心配したトントンが迎えに来てくれた。
「大丈夫か!?」
「うん」
ウトウトしている。気づいたトントンは隣に腰掛け肩を貸す。
「ちょっと寝るね」
「ん。寝付いたら部屋運んだる」
トントンの肩に頭を乗せて、夢の世界へ落ちていく。
睡眠環境が違う。更には外で寝ている。冷たい風は孤独感を引き立てる。
「う……っ、」
始まった。冷や汗をかいて浅い呼吸を繰り返すA。トントンも軽く寝てしまっていたが、すぐにAの異変を感じ取って対処する。
「A、A」
呼んでも返事が無い。かなり深い所まで落ちているらしい。こうなれば、トントンにできる事は限られる。
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みかん - 一気読みしました！凄く面白かったです！ (12月15日 21時) (
レス) @page50 id: 23cbb9e2de (このIDを非表示/違反報告)
ほよん - みんな彼女を大切に思ってるんだなと思いました！とても面白かったです✨ (8月14日 14時) (レス) @page50 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
n - 久しぶりに神作読ませて貰いました！めっちゃ面白かったです！ (6月13日 12時) (レス) @page50 id: a313beec07 (このIDを非表示/違反報告)
ｎｎ - いい意味で鳥肌が立ちました、、！！めちゃくちゃ面白かったです！！ (2023年2月1日 23時) (レス) @page50 id: d2a3e7d3b4 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品も最高だったぁぁぁ!!!!!Ｒじゅーはちじゃないのでみられてうれしいです!!他の作品も見ますね!!!!! (2022年12月9日 20時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月9日 20時
