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「疲れた……」
掃除を終えたAは、モップを投げ捨てて拷問室を出る。しっかりと鍵を閉めてから、クルッと背を向け、スキップで食堂へ向かう。Aは食事が大好きだ。しかも聞いた情報によると、今日の夕食はシチューだと聞いた。Aの好物。
バンと思い切り食堂の扉を開けて、席に座る。いつも通り持ってきてくれたシェフは、爽やかに笑う。
「Aさん。今日は大盛りですよ」
「うわぁ！ありがとう！皆の作るシチュー、本当に美味しいんだよね」
「そう言っていただけて嬉しいです」
シェフは頭を下げて下がる。ニコニコしながら食べるAを見て、ゾムは複雑そうな顔をする。
目の前に居る女は、一体何者なのか。
古株の幹部なのに、彼女のことを全く知らない。ただただ悪評を鵜呑みにし、皆と蔑み嘲笑っていた。だが、今日のあの姿は異常だった。
『男好き』『色狂い』『風紀を乱す幹部』『拷問好きの狂人』
いい噂なんか聞いたことも無い。
「……ゾム、どうしたの？」
「いや、別に。ジロジロ見んなや。気色悪いねん」
「酷いなぁ。心配しただけなのに〜」
軽薄。不誠実。そんな印象しかない。それでも、ゾムの印象に新たに加わったのは、弱い女。であった。
「コネちゃん、シャオちゃん。明日の拷問手伝ってくれない？男手が必要なの」
コネシマとシャオロンは分かりやすく嫌な顔をする。Aも申し訳なさそうに眉を八の字にする。だが、拷問は必要なことであり、A1人で拷問しているのも事実。2人はため息を付いて、渋々承諾する。
「ありがと〜!!お礼に、明日面白いもの見せてあげる」
「……おもんなかったらぶち殺すで」
「怖いよシャオちゃん！」
軽く背中を叩くと、目を釣りあげて怒鳴られる。
「触んな！」
「やーん、悲しい〜」
そんなの微塵も感じられない。
「ごちそうさまでした」
食器を戻したAは、グルッペンの腕に自身の腕を絡めて、歩き出す。
「グルッペン。今日は優しく抱いて。前回、痣が残った」
「すまん。善処する」
そんな会話を聞いていたチーノ、ショッピ、ロボロは無言で席を立った。何が悲しくて仲間の性 事情を聞かされなきゃいけないんだ。
「グルッペンもアホやな。あんな尻軽にホイホイ着いてくなんて。どうかしてるで」
「……シッマ。口には気ぃつけ」
「何も知らん奴が口出すなや」
Aの苦悩を知っているオスマン、トントンは静かに怒り、コネシマと、Aを軽んじる兵士たちに忠告をした。
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みかん - 一気読みしました！凄く面白かったです！ (12月15日 21時) (
レス) @page50 id: 23cbb9e2de (このIDを非表示/違反報告)
ほよん - みんな彼女を大切に思ってるんだなと思いました！とても面白かったです✨ (8月14日 14時) (レス) @page50 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
n - 久しぶりに神作読ませて貰いました！めっちゃ面白かったです！ (6月13日 12時) (レス) @page50 id: a313beec07 (このIDを非表示/違反報告)
ｎｎ - いい意味で鳥肌が立ちました、、！！めちゃくちゃ面白かったです！！ (2023年2月1日 23時) (レス) @page50 id: d2a3e7d3b4 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品も最高だったぁぁぁ!!!!!Ｒじゅーはちじゃないのでみられてうれしいです!!他の作品も見ますね!!!!! (2022年12月9日 20時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月9日 20時
