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差し込む朝日とラッパの音。起床時間だ。ムクっと起き上がったそのベッドは、彼女のものでは無い。彼女の隣で全裸になって寝ている男はグルッペン。我々国の総統だ。
「……おはよう、A。体は平気か？」
「うん。お気遣いどうもありがとう。……先行ってるから、ゆっくりしてて」
床に落ちている服を拾って着たAは、ベッドを降りてグルッペンの部屋を出た。体には、まだ昨晩のグルッペンの香りが纏わりついている。
自室に帰っていつもの軍服に着替え、身支度を済ませてから食堂へ向かう。廊下をすれ違う兵士たちは、形だけ敬礼してくれるが、その目には軽蔑と侮辱的な感情が含まれている。そんなもの、慣れたし気にしていない。職業柄、負の感情を当てられることの方が多いから。
ガチャっと食堂の扉を開けると、騒がしかった食堂が一瞬で静まり、また騒がしくなる。靴の音を鳴らしながら幹部用の自分の席に座り、運ばれた朝食に手をつける。
「Aおはよ。髪跳ねてんで」
隣の席のトントンが髪を直してくれる。柔らかく笑って礼を言うと、ソっと顔を背けるトントン。その様子を、ほかの幹部は憎ましげに見ていた。
「Aさん、今日は総統閣下と寝たらしいぜ」
「昨日はオスマン様だろ？かぁ〜俺も1発ぶち込みてぇ」
「ばぁか。お前なんか相手にされねぇよ。だから、幹部様にしか手ぇださねぇんだろ？あの男好き幹部は」
朝から聞こえてくる自分への悪口。ニヤニヤする幹部。気にせず接してくれるトントン、オスマン、グルッペン。
「ごちそうさまでした！」
Aは席を立って食べ終わった皿を返しに行く。その際も、ジロジロと悪意ある視線を向けられる。
「ごちそうさまでした。今日の朝ごはんも美味しかったよ。今日は、特にスープが美味しかった。いつもありがとう」
「は、はい！」
日課でもあるシェフ達へのお礼。だから彼女は、シェフからは好かれている。食堂を出ると、同じタイミングで出てきた戦闘部隊の隊長達と遭遇する。
「あ、そうだ。コネちゃん」
「あ？その言い方やめろ言うたやん」
「可愛いからいいじゃんよ。それより、この前捕まえたスパイ拷問室に運んでおいてくれない？私じゃ運べなくてさ」
「……いい加減1人で運べるようになれや。っは、そういや今日はグルッペンとか？いつまで軍の風紀乱せば気ぃ済むねん」
「コネちゃんも寝てくれるの？満足させられる？」
「お前なんか抱きとうないわ」
クスクスと皆が笑う。
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みかん - 一気読みしました！凄く面白かったです！ (12月15日 21時) (
レス) @page50 id: 23cbb9e2de (このIDを非表示/違反報告)
ほよん - みんな彼女を大切に思ってるんだなと思いました！とても面白かったです✨ (8月14日 14時) (レス) @page50 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
n - 久しぶりに神作読ませて貰いました！めっちゃ面白かったです！ (6月13日 12時) (レス) @page50 id: a313beec07 (このIDを非表示/違反報告)
ｎｎ - いい意味で鳥肌が立ちました、、！！めちゃくちゃ面白かったです！！ (2023年2月1日 23時) (レス) @page50 id: d2a3e7d3b4 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品も最高だったぁぁぁ!!!!!Ｒじゅーはちじゃないのでみられてうれしいです!!他の作品も見ますね!!!!! (2022年12月9日 20時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月9日 20時
